Deepmosaic

ドキュメント

Deepmosaic Desktopの使い方ガイド

はじめに

Deepmosaicは、AI(ディープラーニング)による物体検出で動画のモザイク処理を自動化するWindowsデスクトップアプリケーションです。動画の読み込みからAI検出、検出結果の編集、モザイクを焼き込んだ動画の書き出しまでをアプリ内で完結できます。本ソフトウェアはモザイクを「かける」ためのものであり、すでにモザイクがかかった映像からモザイクを取り除いたり、元の映像を復元したりする機能はありません。

インストール

ダウンロードしたインストーラ(Deepmosaic Setup)を実行してください。管理者権限は不要で、現在のユーザーにインストールされます。動作にはWebView2ランタイムが必要ですが、Windows 10/11には標準搭載されています。

初回セットアップ

初回起動時、AI検出に必要なモデルデータが自動でダウンロードされます。ダウンロード中は進捗が表示され、完了するまで他の操作はできません。回線速度により数分〜十数分かかる場合があります。

ダウンロード完了後、コンポーネントの自己診断が自動で実行されます。問題が検出された場合は該当データのみ自動で再ダウンロードされます。

ログインとライセンス

アプリの利用にはログインが必要です。クレジットカードを登録しなければ Free プランとしてご利用いただけるため、別途の無料トライアル期間は設けていません。支払いはクレジットカードに対応しています。

  • 無料: 累計6時間分までの動画インポート(クレジットカードの登録は不要)
  • 有料プラン: プランごとの込み時間は料金ページをご覧ください

上限時間の適用は順次開始します。開始日は事前にお知らせします。超過料金は発生しません ── 枠が足りない場合は同じプランを追加でご契約いただけます(Light は最大 3 契約、Pro は最大 2 契約)。現在ご利用中のお客様の条件は変わりません。適用が始まるまでは、有料プランの動画インポートに上限はありません。

プランの変更

プランの申し込み・変更は、画面右上のプロフィールメニューから行います。

  1. アプリにログインし、画面右上のプロフィールアイコンをクリックします
  2. メニューからプラン管理を選ぶと、ブラウザで決済ポータルが開きます
  3. ポータル上で有料プランの申し込み、支払い方法(クレジットカード)の変更、解約ができます
  4. 手続き完了後にアプリへ戻ると、ライセンス状態が自動で更新されます

解約はいつでも可能で、違約金等はありません。解約後も無料分の範囲で引き続きご利用いただけます。

動画の読み込み

読み込みには3つの方法があります。どの方法でも、読み込むと続けて検出オプション画面が開きます。

動画ファイルを選択
メニューの「ファイル」から。ダイアログで動画を1本選びます
動画フォルダを選択
フォルダ内の動画をまとめて読み込みます。対象は選んだフォルダの直下のみ(サブフォルダは含みません)で、ファイル名の昇順に最大100件まで。100件を超える場合は先頭100件のみ読み込み、その旨が通知されます
ドラッグ&ドロップ
ホーム画面に動画ファイルを直接ドロップします。複数同時にドロップでき、動画以外のファイルは自動的に無視されます
「ファイル」メニューを開いたホーム画面
「ファイル」メニュー。画面へのドラッグ&ドロップでも読み込めます。処理結果の保存先は「プロジェクトフォルダを選択」で変更します

対応形式:mp4 / avi / mkv / mov / wmv / flv / webm / ts / m2ts / m4v / mpg / mpeg(拡張子の大文字・小文字は問いません)。フォルダから読み込む際は、拡張子が一致しても映像として読めないファイルは除外され、除外件数が通知されます。

複数をまとめて読み込んだときは、1本目が検出オプション画面に表示されます。「開始」を押すとその設定が残り全部に適用され、順番に処理されます。ただし検出範囲の指定だけは1本目のみ有効で、2本目以降は動画全体が対象になります。すでに検出処理が動いているときに読み込んだ場合も待ち行列に加わり、実行中の処理が終わり次第、自動で始まります。

ホーム画面(処理済み動画一覧)
ホーム画面(処理済み動画一覧)。ドラッグ&ドロップはこの画面が受け口になります

検出オプション

動画を読み込むと検出オプション画面が開きます。ここで「動画のどの区間を」「何を対象に」検出するかを決めて「開始」を押します。

検出オプション画面
検出オプション画面(プレビュー・検出範囲・検出対象)
プレビュー
いま指定しているフレームの静止画です。スライダーや数値入力を動かすと、その位置の画が表示されるので、範囲の当たりをつけられます
検出範囲
初期値は動画全体です。スライダーの両端か「開始」「終了」の数値入力でフレーム単位に指定できます。見出しには 00:00:00 (#0) ~ 00:00:10 (#300) のように時刻とフレーム番号が並びます
範囲を追加
離れた複数の区間を指定できます。重なった範囲や連続した範囲は自動で1つにまとめられ、開始と終了が逆でも入れ替えて解釈されます。2つ以上あるときは で個別に削除でき、すべて削除すると動画全体に戻ります
検出対象
「局部」「男性の顔」「女性の顔」から選びます(初期値は3つともON)。ここでの選択は保存され、次回以降の読み込みでも引き継がれます
ピクセルサイズ自動
モザイクの粒の大きさを対象物のサイズに連動させます(初期値ON)。大きく映るカットでは粒を大きく、小さく映るカットでは細かく自動調整し、カット内・同一の対象内では粒度を一定に保ちます。検出後に編集ページのモザイク設定からいつでも変更できます
GPU表示(右上)
検出に使うGPU名です。CUDA対応GPUが認識されていれば高精度モデル、認識されていなければCPU向けの軽量モデルが自動で選ばれます(手動選択はありません)
検出対象とモザイク初期設定
検出対象とモザイク初期設定

検出にかかる時間は処理するフレーム数にほぼ比例します。長尺動画のうち一部だけを処理したい場合は、検出範囲を絞ると待ち時間を短縮できます。

ライセンスの期限切れや使用量の上限超過があると、この画面でプラン変更を促すダイアログが表示され、検出を開始できません(プランの変更を参照)。

AI検出

検出オプションで「開始」を押すと、AIが動画内の対象物体を自動検出します。処理は「準備 → 前処理 → 検出 → 解析」の4段階で進み、全体進捗・処理速度(fps)・残り時間が表示されます。処理の一時停止・再開・中断も可能です。複数の動画を読み込んだ場合は、この画面で待ち行列の状況も確認できます。

検出進捗画面(4段階ステッパー + 進捗バー)
検出進捗画面(4段階ステッパー + 進捗バー)
対応する検出対象を見る
検出支援できる物体: 男性器・女性器・人間の顔

検出対象は「局部」「男性の顔」「女性の顔」の 3 種類で、検出オプションで個別に ON / OFF を切り替えられます。

編集編集ページ

ホーム画面の動画カードをクリックすると編集ページが開きます。画面は上から「ヘッダー」「動画プレイヤー(編集ツールバー内蔵)」「タイムライン」で構成されます。

ヘッダー左
戻るボタン、動画タイトル、9桁のプロジェクトIDバッジ(クリックでコピー)
メタ情報
動画の長さ / 総フレーム数 / fps / 解像度 / 追加日
ヘッダー右
フォルダを開く / Premiere Proへインポート / エンコード / エンコードジョブ一覧 の各ボタンと保存状態表示
保存状態
編集は自動保存されます。「保存中」「未保存」「保存済」がリアルタイムに表示され、失敗時は「保存失敗」と出ます
編集ページ全体(video-detail)
編集ページ全体(video-detail)

編集プレイヤーとタイムライン

プレイヤーには検出枠(bbox)がクラス別の色でオーバレイ表示されます。枠はドラッグで位置・サイズを直接編集できます。コマ送り・シークに対応し、下部のタイムラインには検出の分布とシーン(カット)の帯が描画され、クリックで任意のフレームへジャンプできます。

検出クラスは色分けされます: 局部(赤)/ 男性顔(青)/ 女性顔(ピンク)/ ユーザ作成(黄)。

検出枠のオーバーレイ付きプレイヤーとタイムライン。枠の内側がモザイクの適用範囲になる
bboxオーバレイ付きプレイヤーとタイムライン

編集編集ツールバー

プレイヤーと再生コントロールの間にあるツールバーに、編集機能が集約されています。

欠落フレームジャンプ
検出が無いフレームへ前後にジャンプ。対象クラス(全クラス / 局部 / 男性顔 / 女性顔)を選んで絞り込めます。ショートカット: [ / ]
bbox追加(1f / ∞)
現在のフレーム中央に検出枠を追加します。「1f」はこのフレームのみ、「∞」は以降のフレームすべてに連続表示。追加後はドラッグで調整。ショートカット: 1 / 2
空白のみ再生
検出枠を含むフレームを自動でスキップし、bboxの無いフレームだけを連続再生します。見落としの確認に便利です
プレビュー切替(B / M)
bbox枠表示とモザイク適用プレビューを切り替えます。ショートカット: M
モザイク設定
モザイク設定パネルを開きます(詳細は次章)
現フレーム初期化
現在のフレームの編集をリセットします。ショートカット: Ctrl+Z
全編集リセット
すべての編集を破棄します(確認ダイアログ付き・取り消し不可)
クラス表示
表示する検出クラスをドロップダウンで絞り込みます(例: 局部のみ表示)
再生速度
0.25x / 0.5x / 1x / 1.5x / 2x / 4x から選択
編集ツールバー
編集ツールバー

編集モザイク設定パネル

モザイクの見た目を4つの適用範囲(タブ)で設定できます。優先順位は ID別 > クラス別 > シーン別 > 全て で、狭い範囲の設定が優先されます。パネルはドラッグで自由な位置に移動でき、開いたまま編集を続けられます。

適用範囲タブ
全て(グローバル既定)/ クラス別(局部・顔など)/ ID別(追跡された個々の対象)/ シーン別(カット単位)。オーバライド中の範囲には表示が出て、個別にクリアできます
信頼度しきい値
指定した信頼度以上の検出だけを表示・モザイク対象にします(0〜100%、タブに依らないグローバル設定)
種類
モザイク(ブロック状)/ ぼかし(ガウスぼかし)
サイズ(bbox拡張率)
検出枠を中心から拡大・縮小してモザイク範囲を調整(0.5x〜2x)
不透明度
モザイク/ぼかしをどれだけ強く合成するか(0〜100%)。既定の 100% で対象を完全に覆います。値を下げるほど隠蔽が弱くなるため、通常は 100% のまま使います
エッジぼかし
モザイク領域のふちをぼかして背景となじませます(0〜64px)
ピクセルサイズ自動
対象物のサイズに連動してモザイクの粒を自動計算(既定ON)。カット内・同一ID内で粒度は一定。「細かさ」と最小/最大セル(px)で調整できます
ブロック分割数
自動OFF時、領域を縦横に何分割するかで粗さを固定します(8〜64、Premiere Proと同方式)
シャープカラー
粒の色を領域平均でなく1点サンプリングにします(Premiere ProのSharp Colors相当、既定OFF)

各項目は右端の ボタンで既定値に戻せます。

モザイク設定パネル。かけるモザイクの種類・粒度・不透明度を指定する
モザイク設定パネル

編集エンコード(書き出し)

ヘッダーの「エンコード」ボタンから書き出し設定を行います。開始するとジョブキューに入り、進捗は専用ウィンドウで確認できます(ヘッダーのジョブ一覧からも参照可能)。

フォーマット
MP4 (H.264 / H.265) / MOV (ProRes 422 / 422 HQ) / WebM (VP9 / AV1) / MKV (H.264 / H.265) / AVI (H.264)
解像度
元動画と同じ / 4K DCI / 4K UHD / QHD / Full HD / HD / SD
フレームレート
元動画と同じ / 23.976〜60 fps
ビットレート
自動(品質ベース CRF 18)/ 2〜50 Mbps
タイムコード
タイムコードの焼き込みに対応。文字サイズ・位置・色・表示形式を詳細設定できます
NVENC GPUエンコード
NVIDIA GPUによるハードウェアエンコード。ドライバ570未満の場合は警告が表示され、CPU (libx264) で出力されます
保存先
元動画と同名(拡張子は選択フォーマット)が既定で入力されます。上書き事故を避けるためフォルダは毎回確認されます

エンコード開始時に未保存の編集は自動で保存されます。

エンコード設定ダイアログ
エンコード設定ダイアログ

検出漏れの確認

AI の検出は完璧ではありません。書き出す前に、次の道具で確認と修正を行ってください。最終的な確認と表現に関する責任は制作者に帰属します。

  • 欠落フレームへジャンプ: [] で、検出が途切れたフレームへ前後移動します。前後に検出があるのに間が抜けている「中抜け」を追うのに使います
  • タイムラインで俯瞰する: クラス別・追跡 ID 別に検出区間が帯で表示されます。同じ ID の帯が途切れていれば、そこが追跡の切れ目です
  • 信頼度しきい値: 低い信頼度の検出を一旦隠して整理し、しきい値を下げて拾い直す、という使い方ができます
  • 安全マージン: 「サイズ(bbox拡張率)」で検出枠を 0.5〜2 倍に調整できます。ギリギリを狙わない運用を選べます
  • 手動で追加・削除: 検出されなかった箇所は 1(1フレーム)/ 2(以降ずっと)で枠を追加できます。誤検出は右クリックから削除できます

AI が苦手なケース(極端な逆光、激しいブレ、部分的な遮蔽、学習データに乏しい構図、アニメーション・3DCG)はトップページに公開しています。該当する素材では確認を厚めに行ってください。

Premiere Pro 連携

動画カードのメニュー、または編集ページヘッダーのボタンから、検出したモザイク情報をAdobe Premiere Proのプロジェクトへ自動でインポートできます。送信前にPremiere本体・プラグイン・起動状態が自動チェックされ、準備ができていない場合はセットアップ手順が案内されます。

アップデート

アプリは起動時に自動で新しいバージョンを確認します。更新がある場合はダイアログが表示され、「今すぐ更新」「あとで」「このバージョンをスキップ」から選択できます。

アンインストール

  1. Windowsの「設定」→「アプリ」→「インストールされているアプリ」を開きます
  2. 一覧から「Deepmosaic」を探し、「アンインストール」を選択します(管理者権限は不要です)

アンインストール後も、設定ファイルやダウンロード済みAIモデルはディスク上に残ります。再インストールした場合はこれらがそのまま利用されるため、モデルの再ダウンロードは不要です。

なお、検出結果や編集データは各動画のプロジェクトフォルダに保存されているため、必要に応じて個別に削除してください。

使用時間の計測

  • 計測の単位: 検出が完了した動画の再生時間を累計します。フッターに残り時間が表示されます(無料プランのみ)
  • 計測のタイミング: 検出が完了したときに加算されます。エンコード(書き出し)は加算対象ではありません
  • 上限の適用: 上限時間の適用は順次開始します。開始日は事前にお知らせします。超過料金は発生しません ── 枠が足りない場合は同じプランを追加でご契約いただけます(Light は最大 3 契約、Pro は最大 2 契約)。現在ご利用中のお客様の条件は変わりません。適用が始まるまでは有料プランの検出回数に制限はありません(料金ページ
  • 送信する内容: 使用量(動画の秒数)とファイルのハッシュ値のみです。ファイル名・映像・検出結果の座標は送信しません。詳細は通信内容の開示をご覧ください

動作環境

  • OS: Microsoft Windows 10, 11(64 ビット)
  • メモリ: 8GB以上(16GB推奨)
  • GPU: NVIDIA CUDA対応GPU + 最新ドライバ。NVENCエンコードにはドライバ570以上
  • インターネット環境: 初回セットアップのモデルダウンロード、ライセンス認証に必要

GPU 別の処理速度の実測値、対応フォーマットの一覧、macOS 版の状況は動作環境ページにまとめています。

トラブルシューティング

  • 起動時にダウンロードが繰り返される場合: 回線を確認のうえアプリを再起動してください。破損したデータのみ自動で再取得されます。
  • 検出が極端に遅い場合: GPUが認識されているか、NVIDIAドライバが最新かをご確認ください。GPU不在時はCPUモードで動作し、速度が低下します。
  • 検出オプション画面にプレビューが出ない場合: 「動画情報を取得できませんでした」と表示されるときは、ファイルの破損か非対応形式の可能性があります。「ffmpeg / ffprobe が見つかりません」と表示されるときは、アプリを再起動して初回セットアップのダウンロードを完了させてください。
  • フォルダを選んでも「処理できる動画が見つかりませんでした」と出る場合: サブフォルダの中は対象外です。動画が入っているフォルダを直接選び直してください。
  • 解決しない場合はアプリ内のフィードバック送信、または問い合わせフォームからご連絡ください。